◾ 感染予防リユースガウン開発の背景とその特徴

 コロナ禍で医療用ガウンは医療従事者にとって必須となっていますが、多くがプラスチック(あるいはプラスチックをもとにした合成繊維)でできています。そしてウイルスが付着している可能性がある以上、多くは使い捨てられており、大量の廃棄ガウンは全世界規模で深刻なゴミ問題となっています。また、これは地球規模で課題となっている“脱プラ”にも逆行する動きとなっています。

 このような状況に加えて、新型コロナウイルス流行の第3波で不足する医療用ガウンの安定供給に貢献する為、繊維商社である株式会社ヤギがサスティナブルな製品作りの研究を重ね、このガウンを開発しました。

 素材は、株式会社ヤギと有限会社やまぎんの2社で共同開発し、東レ及び東レグループで生産した2種類の生地を使用しており、細部に渡って日本の匠の縫製技術を活用する事により100回の洗濯後でもAAMI(アメリカ医療機器振興協会)規格level2の基準をクリアしています。また、可能な限り縫製を簡単にする為に裁断パーツを工夫し、多くの縫製工場で縫製できるように企画しており、これによって日本及び海外でスペースの余っている縫製工場の救済にも繋がります。

 本製品が医療機関等で使われる事によって、現在の使い捨てガウンのごみ問題の解決に役立ち、繰り返しの使用が可能な事で、医療機関のコスト削減にも貢献します。また、今後は原料となるポリエステル素材をリサイクルポリエステルに変更していく事を視野に入れ、環境負荷も意識した医療用ガウンを開発し、世の中に広げていくことも考えています

◾ 感染予防リユースガウンの防護性能レベル

 YAGI USA,LLC.と有限会社やまぎんが共同開発し、東レ及び東レグループで生産した素材により100回の洗濯基準をクリアしました。

 これにより、100回の洗濯をしてもAAMI level2を維持できる医療用ガウン(EITORE for Medical Reusable Gown)を開発、医療現場でのサスティナビリティに貢献します。

◾ 感染予防リユースガウンの素材

・一般財団法人日本繊維製品品質技術センター(QTEC)で生地品質検査報告書認証を取得しています。

・帯電性、通気性に優位性があり、静電気が発生しにくい素材を採用して
   います。

・上記により、着用する方の快適さを実証するガウンです。

◾ 従来のガウンとのコスト比較

前提条件

・洗濯から乾燥まで¥55/1枚単独洗いの場合

・使い捨てガウンの参考相場 ¥1,100

・洗濯可能ガウン ¥3,980